惑星(Wikipedia)
▼惑星の定義
■日本学術会議の対外報告
日本学術会議は、2006年の国際天文学連合総会で決議された惑星やその他の天体の定義などについて、近年明らかになった太陽系の新しい姿や惑星形成に関する理論に基いて「太陽系天体の名称等に関する検討小委員会」で審議し、
2007年3月21日までに取りまとめられた最終案を元に、同年4月9日の第35回幹事会で新しい概念の日本語訳やその取り扱いに関する対外報告(第一報告)を、同年6月21日の第39回幹事会で新しい太陽系の全体像や学校教育におけるそれらの扱い方に関する対外報告(第二報告)を了承した。
太陽系天体の分類についての国際天文学連合への要望に関する第三報告も作成されたが、前2者とは性格が異なるものであるため対外報告扱いとはなっていない[9]。 第一報告では以下の提言がなされた。
dwarf planet について dwarf planet はその概念にあいまいな部分があり、また別々のプロセスによって形成されたと思われる天体(小惑星帯のケレスとTNOの冥王星やエリス)を同じカテゴリーに含めることは、それらを理解する上で混乱を招く可能性があると指摘されている。
よって国際天文学連合に更なる検討を求めると共に、学校教育や一般社会では積極的な使用を推奨しない。 dwarf planet の基準に、直接観測によって比較的容易に判定可能な直径を加える案を検討している(例えば直径1,000km以上とするなど)。
その上で、dwarf planet の日本語名称が社会的に要請される場合は「準惑星」の使用を推奨する。仮の訳として一時用いられた「矮惑星」は推奨しない。
太陽系外縁天体について 海王星の外側には無数の小天体が巡っており、冥王星はその一つであったという発見は大きな進歩であり、適切な名称によってそれを明確にする必要がある。
これらの天体は、従来「エッジワース・カイパーベルト天体」「カイパーベルト天体」「TNO」などと呼ばれ、統一した呼称はなかった。そこで、これらの天体及び天体群の名称に「太陽系外縁天体」を推奨する。なお場合によっては「太陽系」を省略してもよい。
オールト雲は未発見のため、明確に太陽系外縁天体に含まれるわけではない。しかし観測が進むにつれて「外縁天体」の領域は広がると予測されるため、概念としては「外縁天体」の延長と見なされるようになるだろう。
small solar system bodies について dwarf planet の概念にあいまいさが残っているため、small solar system bodies の概念にも曖昧な点がある。また現在使われている「小惑星」「彗星」などの用語との関係についても将来整理されることを前提に、当面使用する和名が必要である。
それらを念頭においた上で、small solar system bodies の日本語名称に「太陽系小天体」を推奨する。冥王星が代表するTNO(=太陽系外縁天体)内の新しいサブグループの名称・取り扱いについて IAU第26回総会の決議6Aで設定された新しいサブグループの名称として、
決議6Bで提案された plutonian objects が否決されたため、国際天文学連合では更に検討を続け、2007年6月に新たな名称について決定する方針である。現在までに1,000個以上の太陽系外縁天体が発見され、また直径1,000km以上の天体も多数含まれていることは、太陽系について理解するために大きな意義を持つ。
上記の視点に鑑みて、新しいサブグループの日本語名称に「冥王星型天体」を推奨し、また適切な英語名を国際天文学連合に提案する。