「日本は貧乏な人が行く国」訪日観光客の素直な見方、「安くてコスパがいい」日本が陥っているワナ
■「みんな日本なら行ける、と言ってる」
「『貧乏人』こそが日本に来ているよ」
そう教えてくれたのは、上海生まれ・上海在住の23歳のAさんだ。彼女はいわゆる典型的な中国大都市の若者で、豊かな家庭環境に恵まれ、努力家でもある。
中国トップ3の大学を卒業した後イギリスに1年間留学。両親のことが大好きなので、コロナの影響もあったが、無事に上海にある金融機関で就職した。
先日初めて日本を観光で訪れた。取材に応じてくれた理由は、旅行先で現地に住んでいる人と話をしたいからだそうだ。
なぜ日本に来たかを聞く前に、「実は最近中国国内の景気の影響で、若者の就職率も旅行意欲も消費意欲も下がっているのでは? と心配している日本の方々がいて、これからどのようにしてAさんのような若者エリートに来てもらえるかと不安があるようですが」と前置きを説明した。
すると、彼女はビックリした顔で「大丈夫だよ。私のような貧乏人の友達がみんな日本なら行けると言うから、来ると思います!」と即答。
「就職は確かに難しかったけれど、私の周りは(私と同様で学歴も家庭環境もよいので)みんなそこそこいいところに就職している。旅行が好きな人も多いので、それぞれの好みで行く」とAさん。
「ただ、ヨーロッパやアメリカは今すごく高くて、新人の給料だとハードルが高い。タイや韓国は安いが以前行ったこともあり、面白いところも見たのでしばらくは行きたくない。
それを踏まえると、日本が一番。理由の1つは円安でとてもお得感がある。本当のお金持ちは欧米、中東に行くけど、私たちにとって日本は海南島より安いし、手が届く海外なので行きたい。
その次に文化。アニメはあまり見ないけれど、桜の投稿に引かれるし、なんか面白そうなので来てみたかった」
そうか。いつの間にか、日本は中国の若者の「憧れ」から「安くていい」観光地に変化してきたのだ。
若者にファンになってもらい、リピートしてもらうのは何より重要だが、楽しみや訪日目的は毎回「ユニクロとコンビニのお菓子を買いたい」だけだと長続きしないであろう。
https://news.yahoo.co.jp/articles/67c7d58e3dde0e023b81818cf8f4cd6e76c448de?page=1