
ツイッター民が全力ででっち上げた架空の国“リスンブール”が世界中で異様な盛り上がり「なぜここまで話題に?」(Pen Online)
https://news.yahoo.co.jp/articles/bddc92ac9a41e1ca950a75175d2e308df9551814
あるユーザーが地図上に示した架空の国、「Listenbourg(リスンブール)」が、ツイッター上でミーム祭りを引き起こした。アメリカ人の地理音痴をいじるつもりで投稿されたネタだったが、共感を呼ぶお題だったのか、欧州を中心にあっという間に拡散。数日でリスンブールに関する情報が壮大にでっち上げられ、盛りに盛られた独立国が誕生した。
【画像】地図上で見る、リスンブールの位置はここ
想像力あり過ぎ…架空の国がすっかり出来上がる
オンライン現象を記録するサイト、ノウ・ユア・ミームによれば、「リスンブール」について最初につぶやいたのは@gaspardoooというユーザーだ。スペインとポルトガルがあるイベリア半島の端に、勝手に土地を付け足し赤い矢印で示した地図を、10月30日に投稿した。「アメリカ人は、この国の名前すら知らないに違いない」とフランス語でコメントを付けており、地理に疎いとされるアメリカ人への嫌みぐらいのつもりだったと思われる。
ところがこの投稿に、別のユーザーが「リスンブールを知らない人なんているの?」と反応。その後次々に実在する国としてリスンブールをネタにするツイートが登場し、特大の大喜利会場と化してしまった。「行ってきた」レポートから同国の歴史、国旗と国歌まで、かなりの仕上がりとなっている。
投稿された数々のツイート
「リスンブールの美しさを堪能」
「リスンブールの女性はハイレベルで言うことなし」
「漫画のワンピース、リスンブールで1億冊を売り上げる歴史的快挙達成」
「リスンブールの歴史を伝える古文書」
「ルイ14世嫌いだったリスンブールの王、リスン15世」
「本物の欧州議会の院内会派が、リスンブールのEU加盟支持を表明」
ネタになるのも分かる アメリカの地理音痴がかなりのレベルだった
リスンブールがネタとしてここまでの反響を呼んだのは、欧州の国々がこれまでアメリカの「地理的やらかし」の犠牲になってきたためだという。ユーロニュースによれば、CNNは2005年にフランスのトゥールーズとストラスブールを、スイスとドイツに間違えて配置したことがある。CNNはさらに、2014年にロンドンをイギリス東海岸に、ウクライナのドンバスをパキスタンに置くという、地図上のミスを犯していたとワシントン・ポスト紙は報じている。
アメリカ人の地理音痴で、実害を被った国もある。2013年のボストン・マラソン爆破事件の容疑者がチェチェン出身であることが判明した後、アメリカではチェチェンとチェコを勘違いする人が続出。駐米チェコ共和国大使が、両国の違いを公の場で説明することを余儀なくされたとユーロニュースは述べている。
ちなみにリスンブールのミームのなかには、「米フォックス・ニュースがリスンブールの件を報じたものの、全く笑い話として受け止められなかった」というこれまた秀逸なネタがあり、4.8万件のいいねを獲得している。
文:山川真智子