※2022年4月12日 BBC
ロシアによるウクライナ侵攻は世界各地から広く非難されている。しかし、フェイスブック・グループのとあるネットワークは、ロシアの指導者に対する世界の認識を変えようとしている。動機は不明だ。
このファン・グループは、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領を、笑顔を浮かべる、慈悲深く平和を愛する人物として描こうと、熱心に投稿を重ねている。閲覧者は数百万人に上る。
この人たちは、プーチン氏の熱烈なスーパーファンだ。どのような活動をし、一体どこから集まってくるのか、私たちは追跡した。
1カ月で1万6000件超の投稿
BBCは英シンクタンク「戦略対話研究所(ISD)」の研究者たちの協力を得て、これらの巨大な親プーチン派グループを調べてきた。
ISDの専門家たちは「ウラジーミル・プーチン、自由世界の指導者」などと豪語する10の親プーチン派グループを特定した。これらのグループには、65万人以上のメンバーが存在する。ロシアの指導者を称賛する写真やメッセージを、英語やロシア語、ペルシャ語、アラビア語、クメール語など様々な言語で発信している。
その人気もさることながら、活動も非常に活発だ。この1カ月間で投稿数は1万6500件に達し、360万件以上の交流があったことを研究者たちは確認している。
プーチン氏を西側に立ち向かう英雄として描き、圧倒的な国際的支持を得ているのだと宣伝することが、こうしたグループの主な目的のようだ。
よく投稿されるのは、プーチン氏が「自信たっぷりに歩き、子犬を抱き、もの言いたげにカメラをのぞき込み、部隊に敬礼し、クマやライオンといった野生動物の群れに乗っている」様子を捉えた画像だ。
2月24日の侵攻開始以来、こうしたグループは10万人以上の新規メンバーを獲得している。
コンテンツの大部分を動かす人たちを詳しく調べたところ、グループの管理者として記載されているファンの多くが、同じ名前のアカウントを重複して持っていることが明らかになった。研究者たちは、こうしたアカウントがネットワーク上で少なくとも100個見つかったとしている。
これらのアカウントは通常、互いをフォローし、時には心温まるメッセージを投稿したり、ハートの絵文字を送り合ったりしている。そして、ロシア政府やロシアの安全保障機関のふりをした偽アカウントを管理しながら、親プーチン派のアカウントも管理している。ロシア当局のふりをしたアカウントは明らかに偽物だ。
アカウントを重複して管理する行為は、フェイスブックの不正行為に関する規則に違反する可能性があると、ISDは指摘する。
主任研究員のムスタファ・アヤド氏は、こうした行為を「アストロターフィング」(団体や組織が背後に隠れ、草の根運動に見せかけて行う宣伝活動)の一例だとしている。
ISDの報告書によると、この活動は「侵攻と共にプーチンとクレムリン(ロシア政府)への支持が広がっているように見せかけるもので、(中略)その目的を果たすために不正アカウントに頼っている」という。
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https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-61064486