中国から飛来した黄砂の影響もあり、先週末は全国のほとんどの地域で大気中の粒子状物質(PM10)濃度が一気に上昇し、各地で注意報が発令された。テレビの天気予報などで映し出される全国の地図は多くの地域で「非常に悪い」となっており、見ている者をいらつかせた。この「非常に悪い」は健康な成人男性でも屋外での活動を控えるべきとされるレベルだが、京畿道安山市では6日午後、一時はその4倍以上にまで大気の状況が悪化した。これらの大気汚染物質が健康に悪影響を及ぼし、場合によってはがんも誘発しかねないという事実が広く知られると、国民の不安も大きくたかまっており、時には「逃げる所もない」といった声も聞かれるほどだ。最近よくささやかれる「春がなくなった」という言葉も決して大げさに聞こえない。学校で児童生徒たちがマスクを着用して運動会に参加する様子を撮影した写真も市民を絶句させている。空気清浄機はもちろん、使い捨てマスクの価格も上昇し庶民には大きな負担となっている。今や韓国における大気汚染問題は単なる環境問題ではなく、国として最大の懸案であると同時に国民の誰もが肌でその脅威を感じるレベルになった。
大気汚染問題の原因の一部は中国だ。とりわけ黄砂が韓国に及ぼす影響は甚大なものがある。しかし粒子状物質の多くは実は韓国国内で発生している。これは国民全員がやるべきことをやれば、それだけで空気は変わるということだ。昨年、韓国政府は老朽化したディーゼル車の首都圏における運行の制限、環境に優しい車の普及拡大などを特段の対策として大々的に宣伝したが、国民はこれによって何かが変わったとは誰も実感していない。
大統領候補者たちも大気汚染対策を「10年公約」として取り上げ始めた。しかしその内容はどれもこれまで何度も聞いた話の焼き直しであり、あるいは現実性に乏しいため、あまり期待の持てるものではない。また各候補は石炭火力発電所の削減を公約して掲げているが、一方で原発も減らすと言っているため、おそらくどちらも実現しないだろう。大気汚染で苦しむ国民の声については、取りあえず選挙の時だけ聞くふりをしてやり過ごそうとしているのだ。
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/05/08/2017050800903.html
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/05/08/2017050800903_2.html
2017.05/80. 11:04
大気汚染問題の原因の一部は中国だ。とりわけ黄砂が韓国に及ぼす影響は甚大なものがある。しかし粒子状物質の多くは実は韓国国内で発生している。これは国民全員がやるべきことをやれば、それだけで空気は変わるということだ。昨年、韓国政府は老朽化したディーゼル車の首都圏における運行の制限、環境に優しい車の普及拡大などを特段の対策として大々的に宣伝したが、国民はこれによって何かが変わったとは誰も実感していない。
大統領候補者たちも大気汚染対策を「10年公約」として取り上げ始めた。しかしその内容はどれもこれまで何度も聞いた話の焼き直しであり、あるいは現実性に乏しいため、あまり期待の持てるものではない。また各候補は石炭火力発電所の削減を公約して掲げているが、一方で原発も減らすと言っているため、おそらくどちらも実現しないだろう。大気汚染で苦しむ国民の声については、取りあえず選挙の時だけ聞くふりをしてやり過ごそうとしているのだ。
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/05/08/2017050800903.html
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/05/08/2017050800903_2.html
2017.05/80. 11:04