ゲーム機は逆ザヤのビジネスモデルから脱却できるか？
http://www.ace-sec.co.jp/daily/report.pdf
アメリカのゲーム見本市E3が終わった。E3前後に新型Switchが発表されるとの報道も一部であったこともあ
り、注目されていたが、新型Switchは発表されなかった。SIEが出展していないこともあって、ユーザーの盛り
あがりにかけるE3になってしまった感が強い。しかも、AAAと呼ばれる大作は開発期間及び開発費の増大で、
タイトル数が減っているように見えることもあり、サプライズも演出しにくくなっていることがE3の地位低下を招
いているとも言えるだろう。
そんな中、7月6日にSwitchのマイナーチェンジがついに発表された。有機ＥＬ採用、ドックに有線ポートなど
デザイン・見た目重視の内容だった。多くのユーザーは性能向上こそがゲーム機販売を決めると見ているよう
だが、古川社長は「圧倒的な面白さが、一目でわかる」を基本としているので、視認性が高いゲーム機は任天
堂の基本戦略に適うと考えている。そして、有機ＥＬモデルは電車、屋外などどこでもSwitchだとわかるような
ものになるはずである。一目でわかる違いが奏功すれば、任天堂の業績は一般的な5年サイクルを打ち破っ
て拡大するだろう。
そして、注目ポイントは価格の引き上げである。15％以上の値上げであるが、すでにコモディティと言ってい
いのでコストの上昇は限定的である。フラッシュメモリはボリュームゾーンの容量があがっていることを考える
と64GBにして大きく上がるとは思えない。しかし、半導体不足など、ゲーム機とは関係ないと思われていた製
品とで部材の取り合いが発生するようになっており、もはや、ゲーム機だけが逆ザヤのビジネスモデルを採用
できないのである。この試みが成功するか見守りたい。
（安田）
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