日銀が10日発表した6月の企業物価指数(2015年平均=100)は99.6と、前年同月比で1.6%下落、前月比で0.6%上昇した。前月比で上昇に転じるのは5カ月ぶり。6月は新型コロナウイルスの感染拡大で停滞した経済活動の再開が広がった。原油や銅の価格が回復したことで、企業物価は5月と比べて上昇した。
企業物価指数は企業同士で売買するモノの物価動向を示す。新型コロナの影響で、企業物価指数は5月にかけて大きく下落していた。品目別に見ると原油や銅相場の影響を受けやすい石油・石炭製品や非鉄金属で5月から価格が回復した。
円ベースでの輸入物価は前年同月比15.6%下落した。前月比では0.9%上昇した。円ベースでの輸出物価は前年同月比で4.1%下落し、前月比では0.8%上昇した。
企業物価指数は消費税を含んだベースで算出している。消費増税の影響を除くベースでの企業物価指数は前年同月比で3.1%下落、前月比では0.6%上昇した。前月比の上昇率は17年1月以来の大きさだった。
前月比では回復に転じたものの、前年から比べると低い水準で推移しており「新型コロナが企業物価の重荷となっている状況には変わりがない」(日銀)という。日銀は今後も、国内外の実体経済の回復が企業物価に与える影響を注視する姿勢だ。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕
2020/7/10 10:34
日本経済新聞
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